あなたがいて、私はここに立てる ──永森彩乃 × 江上万絢『You Raise Me Up』

今回のガラで上演される作品の中で、ひときわ心に染み入るデュオがあります。それが、永森彩乃さんと江上万絢さんによる『You Raise Me Up』です。
2人は幼少より現代舞踊を習い、全国コンクールにて、上位入賞を数多く果たしてきました。表彰式などで顔を合わせることで、同い年ということが分かり、グッと距離が縮まったとのこと。
永森彩乃

永森彩乃さんは、16歳からチェコ国立プラハバレエコンセルヴァトワールにてバレエを学び、国家試験を経て卒業。
チェコのバレエ団でソリストとして、ヨーロッパのみならず様々な国の舞台で主演や主要な役を務めてきました。
チェコ全土対象の芸術賞 タリアアワード2022 女性ダンサー部門ノミネート。帰国後も、ヨーロッパのダンスフェスティバルへ出演し、国内外で活動中。
独立行政法人国際交流基金コンセプトムービー(2025)にダンサー役で出演、九州国際ダンスコンベンション コンテンポラリーソロシニア部門第一位受賞(2025)。
この秋に上演されるミュージカル『カミヒト』(2025)の振付も手掛けられます。
江上万絢
江上万絢さんは、日本音楽高等学校バレエコース、筑波大学体育専門学群を卒業の後、平成30年度文化庁新進芸術家海外研修員として渡英。
帰国後、現代社会に於ける問題等を作品に投影し、令和3年度現代舞踊協会新人賞を受賞。
コンテンポラリー作品への出演のみならず、ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』(2023ホリプロ)タイガーリリー役、ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』(2024東宝)生贄役等として出演。またこの夏より2年間全国で上演される、イーハトーブシアター『真昼の星めぐり the musical』(2025わらび座)の振付も手掛けています。

再会をきっかけに歩み始めた2人の共演
2人は、数年前の永森さんの帰国のタイミングで再会。ダンスに対する想いや、活動に対する熱意、様々な面で共通するものを感じ、個人での活動も大切にしながら、手を取り合い、共に踊れる機会を得てきたとのこと。

確かな絆を静かに描く──『You Raise Me Up』ガラ公演で上演
今回の作品で使用している楽曲「You Raise Me Up」は、タイトルの通り、”あなたがいたから、私は立ち上がれた”というメッセージを持っています。
2人の間にある確かな絆が無言のままに舞台に満ちていく瞬間があり、ガラという晴れやかな場で、この作品が上演されることに大きな意味があると感じています。
生きてきた時間の重みや、誰かと支え合うことの尊さを改めて感じさせ、観終わったあと、誰かの顔が浮かぶような、そして心の中で”ありがとう”と伝えたくなるようなそんな舞台になることでしょう。多くの方に、この作品の上演に立ち合って頂けますように。